「え?saoriさんって前職なんでしたっけ?」
「…看護師って言ったじゃん‼︎」
「あー言ってたような気がする~
俺、すぐ忘れちゃうんすよね。」
とある日の仕事から帰り道。
私は、同期の言葉にすごく救われた。
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私は今、派遣のコールセンターで働いている。
コールセンターで働くのは3年目。
それまでは看護師として13年間働いていた。
看護師は、やりがいもあったし
楽しかった時期もある。
でも、私は
「辞めたいな。」
「きついな。」
の思いが勝ってしまい
看護師から離れた。
看護師として働いている時は
さまざまな葛藤があり
いつの間にか看護師歴13回のうち
11回の転職をしていた。
看護師から離れたあと
選んだ職場は派遣コールセンター。
あまり人間関係ガッツリ絡まなくて、
働く時間や、日数の調整がしやすいところ。
そして医療従事者と関わらない場所。
そんな私の希望を叶えてくれる最高の職場だ。
そんな最高な職場でも
1つめんどくさいことがある。
それが
「前の仕事、何してたんですか?」
という質問が来た時だ。
以前同じ派遣で働くおばちゃんに、その質問をされたとき
「…看護師でした~」
と答えたところ
「あら?そうなの?なんで辞めたの?
勿体ない!!
そんないい資格持っているなら派遣で働いてたらダメよ~」
と言われ…
私は、銃で連射されたゾンビのように息絶えた…
その時は
「ハハッ…そうですね~」
とだけ言って
今後、前職を聞かれても看護師であることは言わないでおこう
と決めた。
もう、
相手はそんなつもりはない言葉で傷つきたくない。
こんなことでクヨクヨ悩みたくない。
自分を守るための最善の対策方法をとった。
…
…
時は流れ
私は今、3社目のコールセンターで働いている。
つまりコールセンターも2回退職した。
今のコールセンターは若い人が多い職場だ。
私の同期も20歳代の子が多い。
そんな同期の子との会話で私は救われた。
彼は21歳、現在歌手を目指していて
学校に通いながら、コールセンターで働いている。
前職は美容師だったらしい。
私と違って、全く人見知りがなく
相手の懐にスッと入ることができる男の子だ。
私は彼と帰り道が一緒なので
よく一緒に帰ることが多い。
そんな中での出来事だった。
あまりにも彼が、自分のことを色々話してくれるので
以前ぽろっと、前職が看護師だったことを言ってしまい…。
でも彼はそのときから
「そうなんだ~」
とそれ以上聞くことも無く、サラッと流してくれた。
そして今回も…
私の前職すら忘れていた。笑
彼の話は、いつも自分の現在から未来の話。
今、自分はこんな歌を歌ってるとか、
同じ学校に通う子がデビューが決まったから
自分も負けてらんないとか、
いずれはこんな歌を歌いたい、
お金が貯まったら東京に行ってさらに歌を学びたい、
そんな自分のことを
キラキラした顔で語ってくれる。
彼には過去なんてどうでもよくて
未来しかみていない。
すごく…
すごく素敵な生き方だなぁ
と思った。
「saoriさん目標とかあります??」
唐突に聞かれた。
「う~ん…あるけど教えない!!」
「えっっ!!…ひでぇ~な~」
すごく救われたし、元気貰った
そんな夜でした。